貧すれば鈍する。か?
ここは間違って欲しくないが、1000円以下のワインなんて、どうせ美味しくないんでしょ、という偏見だけは解いておきたい。「おいしさ」の基準は人によりそのラインはかわる。気分でも変わる。シチュエーションでも違うし、食する相手でも変わる。
またワインは特別?って思う人はさすがにいないはずだが、30数年前はまだまだ誤解の嵐ビューだった。フランス料理>イタリアン料理は当然、ビストロもリストランテも日本では境界線なく、河川崩壊状態でごちゃごちゃに供されていた。(一部表現は誤解を招くようですが例え話しとして受け止めてください)ワインもフランス物が上で、イタリアは下、それ以外は問題外、とする流通のオキテに従わざるを得なかった。
希少価値=価格は高い=おいしい(に決まっている)
フランスワイン=日本にはなかなか入ってこない=貴重=おいしい(に決まっている)
上記の幻想は飲む機会と種類本数が少なかった当時は、まったく証明できなかった。が、今は変わった。何でも手に入るし、どこの国のワインでもポチッひとつで自宅に届く。
変わっていないこと。
それは相変わらず「何が本当に美味しいのか、飲まないとわからない」こと。仏や伊太利のように、国の定めた「酒」の基準があれば別。日本に流通するような多くのワインは、リストランテやビストロどころか居酒屋でも見かけたことがないワインで溢れている。わかるわけがない。
20年デフレが続く経済下で、ワインは安くお得に飲めるようになったのはとても嬉しいこと。
「我が家でおいしい」ワインを選べているか、となると『?』
特にわたしのような、濃い赤ワインの味を覚えてしまった人は、安く不味いワインには、折角なんだからあたりたくないのよ。そのために、少しでも自分の舌や好みに近い人には、同じ幸せを感じてほしくて感想をひたすら書くのだ。努力はしてるつもりはないけど、結果時間はつかってる。ラグビーでいう勝つために今まで「どれだけ時間を犠牲にしてきたか」ッて奴だな。高いワインは飲めなくても、高い志しは曲げず、という思いのみで動いている。
追)些細なまろやかさの差により、バルカトリナの勝利
ポルトガルやチリのワインが普段から飲める日がくるなんて、「何て日だ」